会社の代表者が亡くなったため、相続人が清算人となって会社を解散・清算したケース

相続トラブル事案の概要

亡くなったAさんは生前、1人で株式会社を経営していました。Aさんの相続人は長男のBさん1人です。Bさん自身は会社を継ぐつもりはなく、また、他に会社を継いでくれる人もいません。

会社の処理に困ったBさんは、弁護士と司法書士が在籍している当事務所に相談することにしました。

 

相続トラブル解決結果

今回のケースのように、亡くなった人が経営していた会社の処理を相続人が行う場合、手順としては3つの段階に分かれます。

第1段階:亡くなった人個人の資産と負債の状況の調査

亡くなった人に多額の負債があり、相続放棄をした場合、放棄した人は相続人ではなくなります。そうなると、そもそも相続人として会社の処理をする必要がなくなります。

Aさんの資産および負債(保証債務を含む。下記(注)参照)を調査したところ、資産よりも負債の方が少ないことが分かりました。そこで、Bさんは相続放棄をせず、Aさんを相続することになりました。

(注)会社経営者や、個人事業をされている方は、事業に関する債務について、個人として保証人になっていることがあります。そのため、負債の調査の際は、保証債務の調査も必要です。

第2段階:亡くなった人が経営していた会社の資産と負債の状況の調査

会社をたたむ場合、清算手続によるのが一般的です。しかし、債務超過の場合は、通常の清算手続ではなく、特別清算または破産手続によらなければなりません。どの方法で会社をたたむか決定するために、会社の資産および負債の調査が必要になります。

Aさんが経営していた会社について、税理士の協力も得ながら、資産と負債の調査を進めた結果、会社の負債は資産の中から支払い可能であり、債務超過ではないことが分かりました。そこで、会社のたたみ方としては、通常の清算手続で進めることになり、当事務所の司法書士が対応することになりました。

第3段階:会社の解散・清算の手続

「解散」とは、現在行っている通常の営業活動をすべて中止し、それまでに発生した債権債務を整理する活動に入るということで、「清算」とは、会社の解散後に、それまでに発生した債権債務などを整理する活動をいいます。

大まかな流れは次の①~⑤のようになります。

①相続による株主の確定

Aさんの会社の株主はAさん1人だったので、相続により株主になるのは、Bさん1人です。

②株主総会を開催し、会社の解散と清算人選任の決議 ⇒解散及び清算人選任登記

会社が解散するには、株主総会の決議で株主から承認を得る必要があります。また、解散後に会社の残務処理を行う清算人を選任する必要があります。解散と清算人選任の決議をしたら、法務局で解散及び清算人選任登記を行います。

今回のケースでは、株主はBさん1人ですので、決議は問題なく行うことができました。清算人には、Bさんが就任することにしました。

③清算人の事務

清算人は、就任後遅滞なく、会社財産の状況を調査したうえで、解散の日における財産目録や貸借対照表を作成し、それらの書類につき株主総会の承認を受けなければなりません。

また、清算人は、会社の事業を終結するために、未回収の債権の回収や未払いの債務の弁済、残余財産の分配などを行います。Aさんの会社には、未回収の売掛金と未払いの費用がいくらかあったので、Bさんは回収した売掛金を費用の支払いにあてました。

④官報公告

官報とは国が発行している機関紙です。会社の債権者は、債権を回収できないまま会社が消滅してしまうと、不利益を被ります。そこで、債権者の保護のために、解散する会社の債権者は一定期間内に申し出るべき旨の公告を官報に掲載しなければなりません。

官報公告の掲載は、官報販売所等に郵送、FAXまたはインターネットで申込みをします。記載する文章例はインターネットにも掲載されているので、ご自身で手続きすることも可能ですが、司法書士が手続きを代行することもできます。

⑤株主総会を開催し、清算結了 ⇒清算結了登記

会社の清算手続き終了後、清算人は清算に関する決算報告書を作成し、株主総会を開催してその承認を受けます。その後、速やかに法務局で清算結了の登記をする必要があります。

 

以上のように、会社をたたむ場合は、会社内での株主総会決議などの手続き、登記手続き、税務上の処理、その他業務上の残務処理など、様々な手続きが必要になります。

亡くなった方の会社の処理でお困りの方は、是非ご相談ください。

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