未成年の子どもが相続人のケースⅡ~未成年者に不利益でない遺産分割協議

相続トラブル事案の概要

Aさんは都内在住の30代の女性です。先日、夫のBさんが病気で亡くなりました。AさんとBさんの間には小学生の長男Cくんと幼稚園に通う長女Dちゃんの2人の子がいます。Bさんの遺産は、これまで一家が暮らしていたマンションです。Aさんはマンションを自分の名義にしたいと考えていますが、子どもたちのことを考えるとそれでよいのかどうか心配になり、弁護士に相談することにしました。

 

相続トラブル解決結果

遺産の分割について、未成年者と親権者との利益が相反する場合、特別代理人を選任し、特別代理人が未成年者に代わって遺産分割協議に参加します。特別代理人は、未成年者のために、不利益な遺産分割にならないかをチェックする役割を担います。

Aさんはマンションを自分の名義にしたいと思っていますが、これが子どもたちにとって不利益な内容でないかどうかがポイントとなります。

(注)実際は、特別代理人選任申立書に、遺産分割協議書案を添付して家庭裁判所に提出する運用になっています。家庭裁判所も、未成年者に不利益な遺産分割ではないか、チェックしているものと思われます。

 

Ⅱ 未成年者に不利益でない遺産分割協議

Bさんの相続人はAさん、Cくん、Dちゃんの3人ですから、法定相続分はAさんが2分の1、CくんとDちゃんはそれぞれ4分の1です。マンションをAさん一人の名義にすると、CくんとDちゃんは法定相続分が確保できないため、子どもたちに不利益な内容といえそうです。

この不利益をなくすため、マンションを法定相続分で3人の共有名義にするという方法もあります。ただ、不動産をいったん共有にしてしまうと、後々その不動産の処分について共有者の意見が合わずに困る場合があります。したがって、不動産を共有にするのはお勧めではありません。

そこで、「代償分割(だいしょうぶんかつ)」という方法がよく行われます。これは、不動産など分割しにくい遺産がある場合、その遺産をある相続人に相続させる代わりに、他の相続人に対して代償金を支払うという方法です。この方法をとれば、不動産を一人の相続人の名義にしても、他の相続人は代償金をもらえるので不利益にはなりません。

Aさん一家のケースも、マンションをAさんの名義にするかわりに、AさんからCくん、Dちゃんにそれぞれ300万円ずつ支払うという代償分割を行いました。そして、遺産分割協議書を作成し、法務局で相続登記の手続きをして、無事にマンションの名義変更が完了しました。

 

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